ホルモンバランスの乱れにご注意を

今や「AGA」(androgenetic alopecia=男性ホルモン型脱毛症)という言葉は、一度は耳にした事があるというほど薄毛の代名詞として世間に浸透してまいりました。薄毛の典型的な症状として男性によく見られる額の生え際の後退、もしくは頭頂部より薄くなっていくもので、潜在的人数は1000万人を越えるとも言われています。さまざまな要因で正常なヘアサイクルが乱れてしまうことにより、毛包が十分に成長せず髪の毛が太く長く育たないうちに抜け落ちてしまい、徐々に髪の毛の本数が減少し細く薄い毛だけになっていく症状です。

ヘアサイクルの乱れの原因については男性ホルモンバランスの影響が一番大きいと考えられていますが、不摂生な食生活やストレス、喫煙などの内的要因から、洗髪の仕方、髪の毛を圧迫し続けるなどの外的要因も薄毛を促進させることに繋がりますので、総合的な予防・対策が重要となっていきます。

今や様々な対策を行う専門機関や有効な育毛剤なども開発されてきていますが、当然個人差によりその対処法は異なりますので、高い技術と実績に基づいた医療機関での診断が大切であるというのは言うまでもありません。“薄毛”というものをいろいろな観点から考えてみることでご自分に合った対策が見つかるかもしれません。

毛髪成長因子が発毛を助ける

髪の毛の再生をサポートしてくれるタンパク質の一種“毛髪成長因子”が存在し現在注目を浴びています。成長因子(グロースファクター)を毛乳頭と毛母細胞に直接注入することにより、細胞を活性化させダイレクトな発毛効果が期待できるという結果もでています。奥深い皮膚の真皮の部分まで成分が行き渡ることで、髪の成長と再生をつかさどる信号が正常な機能をとり戻し、優れた発毛効果が発揮されています。男性女性問わず改善する可能性がある治療法として、その効果は日本だけにとどまりません。

発毛パワーを秘めるアミノ酸

アルギニンという言葉をご存知でしょうか。エナジードリンク剤に大きな文字で書かれているのを見かけたことがある方もいらっしゃるかと思います。大豆や豆腐、豚や鳥肉の中にも含まれており、食事から摂取することもできます。主な働きとしては成長ホルモンの分泌を促進させる事により、老化スピードを抑えるアンチエイジング効果や、筋力増強、疲労回復、血行改善効果など多種な働きをするとされています。

そして様々な効果から頭皮環境を整えてくれるアルギニンは、育毛にも優れた効果を発揮すると期待されています。但し過剰な摂取は体に大きな負担となるので控えて下さい。身体がダルいと感じたらサプリメントやドリンク剤などでサポートしてあげるのも良いでしょう。

自律神経と薄毛との関係性

学力で競い合った子供時代、友人関係と将来に悩む中高時代、仕事の成果・生活の為に働きづめの社会人時代。ストレスとは切り離せない毎日を送られている方も多いと思いますが、体のケアをしてその日の疲れを明日に疲れを残さないようしましょう。

ストレスを過度に溜め込むと身体の各所に支障をきたし、日頃からだるく感じたり、風邪など他の病気にかかる割合も大きくなります。もちろん髪の毛にも良い影響はありません。体に支障をきたした場合は重要な臓器から先に栄養を使われてしまうため、毛根にはほとんど栄養が行き届きません。血管の縮小による血流不足もあり、徐々に正常なヘアサイクルが失われ、脱毛を促進してしまいます。

自らの意志でコントロールできない“自律神経”の働きで、体が活発な時に働く神経が“交感神経”です。体を動かし続け活動した状態でアドレナリンが出てくると、血圧が上昇を始め一種の緊張状態に陥ります。お仕事をしている時は、常に交感神経の状態であると言えるでしょう。

“副交感神経”はその逆の働きで、休息している際やリラックスしている時に働きます。消化吸収の機能も活発化し疲れた体のメンテナンスをしてくれている状態です。なので、忙しい時間の合間でも食事をとる際は落ち着いてとるよう心掛けましょう。

お互いの神経が交互にうまく働く状態が望ましく、疲労が溜まっているなと感じたら運動やマッサージなどでコリをほぐし副交感神経を活動させてあげて、うまくバランスをとって頂くのがコツです。例えば38℃のお湯にゆっくりと浸かる、栄養バランスのとれた食生活に改善する、日光浴をしながら散歩をしたりご自分に合ったリラックス法を編み出してみて下さい。

見えない所で一生懸命働く腸内細菌

総重量1kg以上とも言われている腸内に住む細菌。腸内細菌は私たちの体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。腸の中を住み家としている細菌は、私たちが運んでくる消化物を主な栄養としています。菌は1000種類ほど存在し、大まかに「善玉菌」・「悪玉菌」・中立の「日和見菌」の3種類に分けられお互いに食物連鎖で共存しています。病気に対する抵抗力をつけたり消化吸収を助けてくれたりもする善玉菌は、残念ながら加齢とともに減っていくので住みやすいような腸内環境を整えてあげる事が大事なのです。

そして毎日、排泄してあげる事も重要で、腸内の循環をよくしてキレイに保つよう野菜や発酵食品、食物繊維の多く含んだ食事をとりましょう。便秘で腸内に排泄物が溜まると、体中に有害物質が蔓延してしまいます。お肌の状態がほんのりピンク色で血色のよいのは、腸内環境が整っていることの裏返し。血流もスムーズで新陳代謝が活発に行われ、お肌のハリも良好な状態です。善玉菌に体をサポートしてもらうように、健康な腸内も維持していきましょう。

薄毛治療の将来

薄毛治療においては価格や期間によってもいろいろな方法が存在しますが、外科的治療という観点からみると現在は成長因子を頭部に直接挿入する治療法が行われている段階です。その先には現在毛包を培養する研究が盛んに行われており、近い将来にはiPS細胞を利用し、ご自分の毛包を髪が生えていない箇所に移植できる方法が編み出されるかもしれません。

薄毛治療の未来は明るいと思われますが、薄毛を加速させない為の自己の努力が一番大切です。やはり若い年代の薄毛は精神的にも苦痛を伴いますので、以前より薄くなってきたなと感じ始めたら、将来焦ることのないように早めの対策を講じましょう。体から発するサインに気づいてあげることは、自分自身でしかできないのです。